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ブログ 2026年2月

「読む」ということについて|【自学力を伸ばす、塾長コラム】

昨年の終わり頃から「読む」ということについて、色々と考えています。
「読む」について、改めて辞書を引いてみると…

よ・む[読む]⦅他五⦆ 
①目で見た文字の音を声に出す。 「ニュースを━・童話を読んで聞かせる」 
②文字・文章などを見て内容を理解する。 「新聞を━・子どもが読んでもわからない」 
③文字・図表などを見て意味を理解する。 「売り上げのデータを━・計器を━」 
④〔教室で〕読んで、講義・解説をする。 「カントを━・源氏物語を━」 
⑤深い意味を察する。見ぬく。 「相手の心を━・その場の空気を━・手の内を読まれる」 
⑥〔変化する現象をもとに〕見とおす。 「株価を━・時代を━」 
⑦〔数を〕数える。 「票を━・秒を━」 
⑧〘碁・将棋など〙勝負の変化を、先のほうまで考える。 「手を━」 
⑨〔講談・なにわ節を〕語る。 「講談師が一席━」 
<三省堂国語辞典 第八版より>


どれもよく使う意味ですね。
どうも「見る」という入り口をくぐったその奥に、意味や心をしっかり受け止める「読む」という世界が広がっているように思えます。

「読む」とは結局どういうこと?
辞書の②や③にあるように、文章やデータを見て「内容を理解する」ことや、「意味を理解する」こと。これができて初めて、私たちは本当の意味で「読んだ」と言えるのではないでしょうか。
単に文字の羅列を目で追っているだけなら、それはまだ「見る」の段階に留まっているのかもしれません。
さらに興味深いのは、「空気を読む」や、「時代を読む」、「手を読む」といった使い方です。
これらは、目の前の現象をただ眺めているだけでは決してできません。
相手の表情のわずかな変化から「心を読む」ことができるのは、私たちの中に人間関係の経験があるからです。これから起こる変化を予測して「時代を読む」ことができるのは、社会の動きに関する背景知識があるからです。
つまり、「読む」という行為は、外からの情報や筆者の意図と、自分の中に蓄積された「知識」や「経験」とを掛け合わせる、とても創造的な作業だと言えます。

「読む」に関する現代特有の落とし穴とは
しかし、今の生徒はもちろん、大人たちや私自身を含め、この「読む」ということがどのくらいできているのだろうかと日々考えさせられます。
そして、どうもここには一つ、現代特有の落とし穴があるようにも感じます。
私たちは今、SNSなどを通じて膨大な情報に触れていますが、最近では2つの影響が大きいように思います。1つは「ショート動画」、2つ目は「レコメンド機能」です。ショート動画の普及によって、私たちはまとまった情報を気軽に見られるようになりました。これは悪いことばかりではないですが、反対に「5行以上のまとまった文章」を最近どのくらい読んでいるでしょうか?


最近の小中学生は顕著に文章題に弱くなっています。5行以上書いてある文章題は「お手上げ状態」の子どもたちが以前と比べてかなり増えています。しかし、一緒に読んであげると途中で「あ、わかった!」と問題自体は簡単に解けるのです。つまり、最初からアレルギーのように読むことを諦めている子が増えているという状態です。これはショート動画のメリットでもある「要点だけを簡単につまむクセ」がついているのが原因だと考えます。

また、もう1つの「レコメンド機能」によって、自分の好みや考えに近い情報ばかりが繰り返し表示されがちです。心地よい情報だけに囲まれていると、「世界はこういうものだ」というある種の洗脳のような思い込み、いわゆる認知バイアスがかかりやすくなってしまいます。結果的に狭い視野で物事を考えるクセがついているように思います。そして、自分の意見と異なる考えを「間違っている」と二項対立のようにとらえてしまうことも問題です。

SNS時代で「読む」ために必要なこととは
もし、偏った情報だけで作られた「自分の知識や経験」だけを頼りに世界を「読もう」とするとどうなるでしょうか? 辞書にあるような「変化する現象をもとに見とおす」ことや、「深い意味を見ぬく」ことにおいて、大きな判断ミスをしてしまう危険性が高まってしまうでしょう。
だからこそ、情報があふれる現代において深く「読む」ためには、自分の内側にある知識だけでは足りないのではないでしょうか。

自分とは異なる考えを持つ他者と対話をし、自分だけの狭い経験を広げていくこと。 そうして常に自分の「ものさし」を更新し続けることこそが、偏りなく時代や人の心を「読む」ための、一番の近道と言えるように思います。これは子どもたちではなく、私をはじめとする大人たちにも大いに言えることです。

自学道場では、この問題を解決する一助となるべく、今月から試験的に「自学道場国語ゼミ」と題して「読む」ことに特化した講座を立ち上げることにしました。みんなで一つの文章(時には図表や歌詞なども含む)に丁寧に向き合って、色んな解釈の仕方を通して深い読み取りを目指す。そんな講座にしていきたいと思っています。

さて、この駄文の投稿も果たしてどれだけの方に「読んで」いただけていることか…(笑)
「読む」ことへの思考は奥が深く、まだまだ続いていきそうです。


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